小牧の図書館を考える会

平成26年4月に 小牧市の 山下史守朗市長は 「武雄市モデル図書館」を小牧に建設すると発表されました。  「武雄市モデル図書館」とは何か。小牧市民にとって良い物なのか、それらを市民の皆さんと考えていきたいと思います。

12.22小牧の図書館を考える会 2人の市長予定候補へ懇談会で質問

小牧の図書館を考える会 懇談会資料

2014.12.22

小牧の図書館を考える会 
場所:ラピオ学び創造館 研修室2


小牧市長候補に当日の質問を懇談会資料として提出しました。
尚、当日は録画をし、内容を公開させて頂きます。
質問の公平を図るために、下記の質問は市長出席時間内とし、残り時間は市民からのフリートークにします。40分で5項目の質問&御回答になります。
各項目につき、1分間の質問、各候補3分間以内のご回答、合計7分になります。時間厳守でお願いしたいので、タイムキーパーによる時間告知になります。

              ≪質問≫
1、 公立図書館の社会的役割について、どのようにお考えですか
(18:03~18:10)
2、 小牧駅西A街区に小牧市が建設予定の図書館を、レンタル大手ツタヤを展開するC.C.Cと図書館流通センターTRCで作る、共同事業体が運営すること、つまり民間委託方式と直営方式について、どのようにお考えですか?
(18:10~18:17)
3、 市長が、「市民の意見をよく聞く。」とはどういうことだとお考えですか?
決められた市の団体に限定するのか、または、市民が自由に参加できる機会を作ることだとお考えですか?
(18:17~18:24)
4、 現在の新図書館構想をゼロから再検討する、というお考えはありますか?
 (18:24~18:31)
5、 武雄市図書館モデルで発生しているツタヤ方式の問題点についてお聞きします。
(18:31~18:38)
① 個人情報の流出が懸念されるツタヤのTカードを、図書館の貸し出しカードとして利用することについて、どう思われますか。

武雄市ではDVDが大量廃棄されたり、雑誌の種類やバックナンバーが減らされたと聞いています。小牧市の対応はどうあるべきとお考えですか?                          以上

動画を公開します。

https://drive.google.com/file/d/0B2ymo7zTws_oZE0zaWdOeUE1T3c/view?usp=sharing

 当日は、50名収容の研修室が満席となりました。新図書館に対する関心が高まって来ており、2.1市長選に向けて、新市長予定候補の考えを知りたいという意識が強まっていると思われました。

小牧の図書館を考える会 懇談会Q&A 小牧市 山下市長の回答を公開します。

1.公立図書館の社会的役割について、どのようにお考えですか?


情報化や国際化、人口の少子高齢化等、私たちを取巻く社会の状況は大きく変化しています。このような社会環境の変化や技術革新に対応していくために、新しい知識や技術の学習が必要になっています。
これらの状況に対応するために、図書館は資料を収集し、提供するだけでなく、地域と連携し各種支援サービスを提供する等、様々な役割が期待されています。
このため、図書館は、市民の資料や情報に対する求めに応じ、多種多様な資料の収集と市民への情報提供サービスを行い、市民の文化、教養、実用、調査研究等、生涯にわたる学習活動を積極的に支援し、市民の心豊かな生活と交流の実現の手助けをすることが、社会的役割と考えています。
そうした中、小牧市が目指す新図書館につきましては、現在の図書館の機能を維持・拡充しつつ、民間のノウハウやアイデアを活用しながら多くの市民の皆さんが図書館を利用したくなる付加価値を備えた図書館とし、利用者の増加や小牧駅周辺のにぎわい創出に繋げたいと考えております。

2.小牧駅西A街区に小牧市が建設予定の図書館を、レンタル大手ツタヤを展開するCCCと図書館流通センターTRCで作る、共同事業体が運営すること、つまり民間委託方式と直営方式について、どのようにお考えですか? 


まず、新図書館の設計につきましては、CCC・TRC共同事業体から様々な提案をいただきながら進めていきますが、連携民間事業者の提案の採用については、市が主体的に決定していくものであります。このため、CCC・TRC共同事業体に建設を丸投げするわけではありません。
また、指定管理者については、選定ができる段階になりましたら、連携民間事業者から指定管理の申請書の提出を受け、他の指定管理者選定と同様にしっかりとした審査を行い、適切と判断した場合に、指定管理候補者として選定することを予定しています。
また、指定管理候補者が決定し次第、議会に対しまして、指定管理者の指定の議案を提出させていただき、ご審議いただくことになります。
このため、現時点で、将来的にCCC・TRC共同事業体が指定管理者になることが決定しているわけではありません。
新図書館の運営については、利用者の利便性向上を図るとともに、今まであまり図書館に親しみがなかった人々をも惹きつけ、時代のニーズに合った図書館、遠くからでも行ってみたいと思われる図書館とするために、運営に民間活力を導入することは、非常に有効な手段であると考えています。
特に指定管理者制度は、ソフト面とハード面の施設運営全般に対して民間のノウハウを活用でき、また、直営での運営では難しいさらなる開館日や開館時間の拡大などのサービス向上につながることが期待できるため、導入を決定したものであります。
そして、4月21日開催の図書館協議会、5月21日開催の定例教育委員会で、それぞれご理解をいただいた上で、平成26年第2回定例会において、「小牧市立図書館の設置及び管理に関する条例」の改正議案を諮り、議決をいただいております。
なお、現在においても、本市の図書館の窓口業務は、連携民間事業者の構成員であるTRCに委託をしていますが、平成25年度に実施した図書館の利用者アンケートにおいて、カウンター、電話対応等、図書館スタッフの対応についての問いに対して、「満足」と「まあ満足」と答えた回答者が9割以上、特に本館は98%となっています。
こうしたことも、図書館を民間により運営しても、市民満足度の高いサービスが提供できると判断した材料の1つであります。

3.市長が、「市民の意見をよく聞く。」とはどういうことだとお考えですか? 決められた市の団体に限定するのか、または、市民が自由に参加できる機会を作ることだとお考えですか?


新図書館建設については、市民の代表である市議会をはじめ教育委員会や各種団体からも早期の建設を望む声が多くありましたので、多くの市民が新図書館の建設を望んでいると判断し、決定に至ったものであります。
また、新図書館の建設については、市民の方にも検討に加わっていただき、さらに市民アンケートやパブリックコメントも経て、平成20年度に策定された「新小牧市立図書館建設基本計画書」を踏まえて進めることとしております。
官民連携手法の導入などの変更はありますが、基本ベースは、あくまでも市民の意見をお聞きしながら策定された「新小牧市立図書館建設基本計画書」でありますので、今後も、図書館協議会委員、教育委員や図書館ボランティアなど図書館運営に精通された方々にご意見をお聞きしながら進めることで、市民意向を反映していきたいと考えています。
特に、指定管理候補者を選定する段階になりましたら、運営内容等細かな内容を固めてまいりますが、今後の運営においても図書館ボランティアの方々に引き続き関わっていただきたいと考えております。
また、新図書館建設の事業手法が適切かつ有効に機能しているか確認するため、設計・工事段階において、第三者的視点による進捗管理体制の構築を予定しております。
なお、市民の皆様には、逐次、進捗状況をホームページや広報を通じてお知らせしてまいりたいと考えており、その際に、意見が寄せられた場合は、参考とさせていただきたいと考えています。

 

4.現在の新図書館構想をゼロから再検討する、というお考えはありますか? 


新図書館の計画については、私が市長に就任以前の経過から申し上げますと、元々、建設場所についてはA街区として進められていましたが、ラピオの複数テナントの退店問題から、新図書館をラピオに導入してはどうかとの議論があり、平成23年1月に開催された小牧駅周辺活性化特別委員会においては、ラピオの空床に入れるべき施設は図書館であると決定されていました。
そして、その後、平成23年2月の市長選挙により、私が市長に就任することとなりましたが、私はすぐに新図書館の建設、またラピオの再構築については、ゼロベースからの見直しをすることといたしました。
まず、私は、ラピオについては、一義的に商業ビルであるとして、空床部分には、図書館でなく商業施設の導入に向けた取組みを進めました。その結果、ファニチャードームを誘致し、平成23年12月1日のオープン以降、現在に至っております。
また、小牧都市開発株式会社にあっては、一旦は、資金ショート寸前となり、経営危機に陥りましたが、様々な経営改革により、新たな市費を投入することなく黒字化しているものであります。
こうしたことから、ラピオの再構築が果たされている現状を考えますと、新図書館をA街区に建設すること自体は、紆余曲折を経ましたが、これまでの経過を十分に踏まえた方針であると考えています。
また、運営手法については、先進自治体においては、民間活力を導入した図書館の事例などが見受けられましたので、本市においても、そうした官民連携による図書館建設の可能性について精力的に検討を進めました。
そして、中心市街地のにぎわいを創出する観点に立ち鋭意検討した結果、A街区には、様々な機能を集約するのではなく、図書館を中心とした施設とし、民間の知恵を入れて、図書館利用者の増加や中心市街地の活性化に結びつく機能に絞った、すなわち付加価値の高い図書館を建設する方向へと舵を切ったものであります。
以上のように、今回の新図書館の建設については、市長就任後にゼロから再検討した結果、決断したものであります。また、この間も、先ほど申し上げましたとおり、市民の代表である市議会をはじめとした教育委員会や各種団体からも早期の建設を望む声が多くありました。このため、できる限り早く、新しい図書館を建設し市民の皆さんに利用していただきたいと考えております。
こうしたことから、再度ゼロから検討するといったことは考えていません。

5.武雄市図書館モデルで発生しているツタヤ方式の問題点についてお聞きします。

①個人情報の流出が懸念されるツタヤのTカードを、図書館の貸し出しカードとして利用することについて、どう思われますか。 

他市の想定される懸念に対するコメントはお答えできませんが、新小牧市立図書館につきましては、今の段階では、Tポイントを付けるかどうかといった内容も含め、Tカードの導入につきましては未定です。今後、連携民間事業者と協議・検討することになると思いますが、どのような形であっても、個人情報保護の観点につきましては、図書館の自由に関する宣言を尊重して厳格に取り扱っていきたいと思います。

 

武雄市ではDVDが大量廃棄されたり、雑誌の種類やバックナンバーが減らされたと聞いています。小牧市の対応はどうあるべきとお考えですか? 

他市の事案に対するコメントは差し控えますが、小牧市の図書館資料の除籍基準について説明します。

図書館の魅力ある蔵書を保つには、所蔵している資料を適宜更新、除籍し、新鮮な状態を維持する必要があるため、小牧市では、「小牧市立図書館所蔵資料の除籍に関する要綱」に基づいて除籍をしています。除籍の対象となるのは、おおむね受け入れ後10年を目安に、図書館資料として不用となった資料です。例えば、内容が古くなって資料的価値が減少したもの、内容が類似しており、ほかの資料で代用が可能なもの、複数所蔵しているが、利用頻度が低くなってきたものなどは不用な資料として判断しています。そのほかに紛失した資料、汚れたり破れたりして利用できない資料も除籍しています。

しかし、郷土資料や事典などの参考資料、絶版などで入手できないもの、永続的価値のあるものは除籍の対象から除外しております。

また、図書や雑誌以外にカセットテープ、CDなどの音楽資料やビデオテープ、DVDなどの映像資料がありますが、その中でカセットテープやビデオテープなどは、CDやDVDへと形態が変わり、専用の再生機器の入手は今後困難になっていくと思われます。現在のところ、ビデオテープの貸し出しの需要はありますが、少なくなっています。今後、こういったものは順次除籍していく時期が来ると思います。

今後、指定管理者制度を導入しましても、現在と同様に「小牧市立図書館所蔵資料の除籍に関する要綱」に基づいて除籍をしていきます。